ひらひら
パンツひとつに救われる人生もあるさ
ここんとこの忙しさに眼が廻る
忙しさを理由に自分を甘やかす
甘えた自分に仕事が厳しく圧し掛かる
曇天模様の空の下
顔を上げても無意味と決めて
俯き
歩く事も止め
眼を閉じ
ただ何も考えず思わず言わず聞かず
停滞した毎日に抗う事もせず
人との関わりも持たず
瞼越しの光が鬱陶しくなり
思わずうすらと眼を開けた
そこに
いちまいのぱんつがひらひらと
眼で追い
首を振り
声をあげ
身体が動いた
前へ
前へ
前へ
ぱんつに手が伸びた
ぱんつはひらりと舞い
するりと落ちた
ぱんつを拾い上げると思わず握りこんだ
手に力が入った
足に活力が漲った
身体が震えた
やれる
まだやれる
もっとやれる
さっきまで鬱陶しかった明るさが
やけに頼もしく思えた
ぱんつをポケットに仕舞い
明日も頑張ろうと誓った
蹴飛ばされたけど
頑張ろうと誓った
ありがとう
ぱんつ